時計が午後を過ぎた頃。差し込む日の光に私達は目を覚ます。
朝から浴室に入っていたので、お互い空腹を覚えていた。
一糸まとわぬ姿のままで起きだすと、服を着て、娘を連れて食事に出かける。
帰り際にマンションの近くにある公園で、砂遊びに興じる娘を眺めながら、ゆったりと煙草の煙りをふかす。
小春日和の暖かい光の中、ひよこは楽しそうに、砂で何かを作っていた。
「何つくっているんだい?ひよこ」
ベンチに腰掛けながら、娘に話しかける。
「あのねぇ〜、ひよことぉ〜、、パパとママのおうち〜」
「‥‥‥ふ〜ん、、、」
「ここにね、ひよこのお部屋があるの。 ちょうどパパとママのお部屋のあいだだよぉ‥‥」
娘が私に向かって嬉しそうな笑顔を浮かべる。
「ね、、、こうすれば、今とおんなじのまま、パパとママ、けんかしないで3人いっしょのおうちに住めるの〜」
そう言うと、理想の家の建築に娘は没頭しはじめた。
「‥‥‥3人一緒か、、、、」
青く高く澄んだ空を見上げながら‥‥‥ 少しだけ、、、、私は妻の事を思った。
(そのうち、、、また、、、家族一緒に食事でもしてみるか、、、、、)
そんな私のつぶやきを、どこかに運んでいくように、、、、一陣の優しい風がさらっていった。
---------おしまい(^^;)---------
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