外では…まるで夜の遊びを許されたようなつむじ風が、看板や安普請のアパートを壊しそうな勢いで乱舞している。
バタバタと音をたてるそれらが、あまり音楽を聞かない僕には心地よいBGMとなって、
ふわりと宙に浮いたような気分を味あわせてくれる。
風に混じって、いきなり勢い良く玄関のドアが開かれた。
「おに〜ぃちゃんっ! おフロ借りるねっ!」
ノックの音もなく乱入してきたのは、隣に住む小学生の煉美だった。
晩餐と呼ぶには貧しい、一人暮らしの男の食卓の前を、にっこりと笑いながら通り過ぎる…
「あがったばかりなんでしょっ。明日運動会なのっ!追い炊きしないから、イ〜れてっ!」
言うが早いか、服を脱ぎ出すが早いか、煉美はそそくさとフロ場へと消えていった。
今日は…‥フロにつかって…ビールを飲んで……久しぶりにゆっくり眠ろうとと思っていたのだが…
煉美に僕の部屋の合い鍵を渡していた事を、ちょっと後悔する。
腹立ちまぎれにイスを立つと、缶ビール片手に浴室に向かった。
「お〜ぃ!れんみ〜っ」
「なにぃ〜 おにいちゃん?」
少し意地悪をするつもりで声をかけたつもりが、いつもと変わらない明るい返事が帰ってきた。
「あ…その… そうだ! なんで今日俺がフロ沸かしたって知っているんだよ!」
「えへへ〜っ!だってお兄ちゃんのトコのおフロって、沸かすとき『ドカンっ!』って音がするんだもん」
確かにそうだ…ウチの湯沸かし機は古いせいか、着火時にガラスまで震えるような炸裂音がする。
「フロ入りたいんだったら自分の所で入ればいいだろっ!」
「だって……独りでおフロ入るのって、何か恐いんだモン… おかあさんもダメだっていうし…」
少ししゅんとした煉美の声に、彼女の家庭の事情を察して、僕は何となく言葉を失ってしまった。
幼い時に父親を失ったという彼女は、最近特に僕をたよってくる。
「火事になったらダメだからって…お水もタダじゃないし…」
「…………」
独り言のようにつぶやく煉美の声が、風呂の中に響いて僕の耳に届いてくる。
僕は缶ビールを一口すすると、脱衣所にある洗濯機に腰をもたれた。
「おにいちゃん…煉美…悪い子なのかな…」
「どうして?」
「おかあさん…最近、何か煉美が邪魔みたいなの… 学校に行く時なんかに会うんだけど…
いっぱいお話したいのに……いつも『疲れてるから、眠らせて』…ってしか言ってくれないの…」
彼女の母親は、主に夜の間に働いているらしく、家を開けがちだ。
2〜3日家に居ない事もざらではない。
「きっとおかあさんも、、煉美を育てるために一生懸命なんだよ……」
大人の言い訳みたいな返答をした。 僕の中に、暗くモヤモヤした気分が乗しかかってくる。
「お兄ちゃんの生活なんか見てみろ、男のオレが働いても、こうやって、たま〜にフロ入れるのがやっとだぞ。
煉美のおかあさんはもっと大変なんだよ…」
モヤモヤとする重い気分をふりきるように、無理矢理元気な声を出してみた。
「……そうかな… そうなんだよね …きっと……」
煉美の声が浴室から帰ってくる。 僕と同じ様にカラ元気みたいだ。
「……‥‥・」
そのまま、またしゅんとしぼんでしまった煉美の声に…彼女を元気づけたい気持ちが、心の中で沸いてきた。
「よう!久しぶりに背中流してやろうか! 煉美!」
一瞬の間のあと、浴室の中で水のこぼれる音や、洗面器のころがる音が騒がしくこだました。
「えっ!えっ!! い…いいよぉ…おにいちゃんっ!…ハズカシイしっ!」
「ダメダメっ…はずかしっこナ〜ぁシっ!」
かまわず浴槽の扉を開けると、中にずんずん進んでいく。
「あぁ〜ん…もう…‥えっち!」
「カワイイ背中だなっ! ホラ!
キレイにしてやるから。イスに座って」
流石に体の前を隠しながらも、
ちょこんと浴室のイスに背を向けて座った。
僕は石鹸でスポンジを泡だてて、
その小さな背中を洗いだした。
以前何度か、こうやって煉美を風呂に入れて
やった事があったが…
あれはまだ彼女がもっと小さい頃だ。
華奢な肩甲骨…
くっきりと浮かんだ背骨や…
わずかに丸みを帯びてきた腰のあたり。
女の子らしくなってきた煉美の背中を、
やさしくこするように洗っていく。
彼女は恥ずかしいのか、
手足をすぼめ気味に、僕に背中を預けている。
「どうだ…気持ちいいだろ?」
「………」
煉美は頬を赤らめながら、
ツンとすました顔を上に向けている。
「…‥いやか? ……煉美?」
「……イヤじゃ…‥ないよっ☆」
目をつむったまま、そのままの表情でつっけんどんに
答える。
「ナマィきなぁ〜っ、 くすぐっちゃうゾっ」
僕は手にしていたスポンジを放すと、手で直に煉美の
背中をさすりだした。
指先を立てて、腰や背中をマッサージするように動かす。
「きゃはっ! くすぐったいっ! アハハっ!
やだ〜 ダメぇ〜! おにいちゃ〜ん!」
「ほらほら〜 ちゃ〜んと答えないと、もっとくすぐっちゃうぞ〜っ」
手足をバタバタさて暴れる彼女を、僕は両手で背中から
抱きしめた。
「あははっ! あはっ! や〜ん…おにいちゃん〜!」
暴れる煉美を押さえようとした僕の手は、膨らみはじめた小さな胸や、腋の所に伸びていった。
「ん…は…あ や…んっ おにいちゃん… くすぐっ…たぃ…」
指の動きに対する反応が、先程とは違った緩慢な動きになっていく。
「あ…… は…ぁん…」
熱い吐息のような声が煉美の口から漏れる。
「…もう、止めようか?」
僕の腕の中で力つきたように動かなくなった煉美の耳もとでつぶやく。
「ん…‥ ぅうん…」
おねだりをするような声で煉美がつぶやく。
「背中だけじゃなくて… もっと色々な所、洗ってほしいか?」
桃色に頬を染めた少女は、はずかしそうに、こっくりと首を縦にふった。
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後ろから彼女を抱きしめたまま、ゆっくりと、さするように…手のひらを動かしてゆく。
わずかに肉が浮かんだ胸全体に、泡をなすりつけるように、やさしく撫でる。
「ん‥‥ んんっ‥… ぅ…ぅん……」
煉美の息が…耐えきれなくなったように甘い音に変わってゆく。
手のひらの中で、煉美の乳首が異物のように硬くなってきていた。
意識を集中させないと判らないくらいの柔らかい突起だ。
その先端を、触るか触らないかの動きで、優しくなでまわす。
「は…ぅ…… はぅ…んっ‥‥」
いたぶるようになで回しつづけると、煉美がたまらずに声をあげた。
「煉美…おっぱい、気持ちいいのか?」
僕の偏見なのか、こんな未発達の煉美の胸を愛撫しても彼女は感じないだろうと、今まで彼女の胸を
あまり触らないでいた。
「煉美…よく…わからない… も…っと…触ってみて…」
かすかに肩を上下させながら彼女がつぶやく。
こんな触り心地のない小さな胸でも…彼女は
気持ちいいんだな…ふとそんな感情が芽生えた。
「こんなふうかな?」
指先にある小さな突起を探ると、僕の腕に
身を任せながら、びくりと煉美の体が反り返った。
胸に浮かんだ小さな二つの豆粒を…石鹸の
滑りにまかせ、優しく愛撫する。
「お…にぃ‥ち… ダ‥メぇ… お…おっぱい…
き…もち…ぃいよぉ☆」
胸先に与えられる刺激から、逃れるように
肩を震わせるが…
その突起は僕の指に反応して、
次第に敏感になっているようだ。
「ちゃんと女の子なんだね、煉美も」
腋の付け根あたりから…中心に向かって
大きな螺旋をかくように、舌を這わせる。
「はっ…はっ……はぁ…はっはっ☆」
舌先が乳首に近付くにつれて、
煉美のあえぎが大きくなる。
硬くなっている…といっても、
殆どその心地は耳たぶよりも柔らかい。
そんな胸の突起を、溶けやすい
アイスクリームを味わうように舐める。
『ぺろっ…ぺろっ…』
「アゥっ…はぁっ!」
煉美の体に電流が走ったように震えた。
ビクビクと胸を上下させて反応する。
「気持ち…いいか?」
唇をすぼめて、その先端を吸ってみる。
「は…あ…おにぃ…ちゃ… 煉美…
そんなに…されたら あっ!
む…むねが… ぁああっ☆」
かまわずに舌をストローのように使って、
その小さな乳首を苛めつづける
『ちゅろっ…ちゅぽっ……ちゅるっ…』
「あんっ☆ はうっ! あふぅ…
んっ!あぁんっ☆」
薄暗い浴室に、僕の舌が上げる音と、それに反応する煉美のあえぎがこだまする。
「は… はぁっ!…… はぁ…☆」
『ちゅっ…ちゅっ…』
「は……はぁ‥‥・ハっクシュン!」
あえぎ声につづいて彼女の口から出たのはクシャミだった。
「…じゅるっ…」
「………」
垂れた鼻水を引っ込めようとする煉美と視線が合った。
「…く……」
湧き出そうになった笑いを堪えてたが…
「くすっ……」
「く…くくくっ……」
お互いの笑い袋が弾けた
「あはははははっ☆」
「は…ははははっ!」
しばらく二人の笑いが浴室にこだました。
「あははははっ…はははっ! オッカシい〜」
「ははははっ、は…早く風呂に浸かれよ、煉美。風邪ひいちゃうゾ」
「くしゅん!」
続けてくしゃみをする彼女を抱き上げて、湯舟に入れてやった。
「どうだ、ぬるくなってないか、お湯?」
「ううん、大丈夫…‥」
肩までつかった彼女が僕に恥ずかしそうな微笑みを返す。
「寒かったらまた火を入れてもいいからナ、ゆっくり浸かってきな」
「うん……」
優しく風呂場の扉を閉めると、再び冴えない食卓へと戻った。