--- 明太子の逆襲 ---



科学者の祖父を持つ、『れんち』ちゃん。
海外に両親がいるのでお爺さんと二人くらしです。

今日は独りでおるすばんです。
以外と行儀が悪い『れんち』ちゃん、お昼頃になってようやく起きてきました。
「ぁ〜よく寝たぁ〜☆」
襟にリボンが付いたネグリジェのままで、食卓に降りてきました。
机の上にはお爺さんが用意してくれた朝御飯があります。
「ぇえ〜っ!明太子ぉ〜!?」
『れんち』ちゃんの苦手な明太子が、おかずにあるのを見つけて嫌そうな声をあげました。
しかも最も苦手な生の辛子明太です。
「ダメ〜食べらんない〜」
『れんち』ちゃん、おかず抜きでさっさと朝御飯を平らげてしまいました。
残った明太子を生ゴミと一緒に捨てようとしましたが、ふと思い付くと家の奥にある
お爺さんの研究室に向かいました。
「しかえししてやる〜」
研究室の角にある、何やら得体の知れない箱の中に、残った明太子を捨てました。
このまま1日もすれば、研究室は腐った明太子の悪臭で満たされるはずです。
嫌いだと知っていて、わざと用意したお爺さんへの仕返しでした。
「他にもイタズラしておこっと」
それだけでは物足りないと考えた『れんち』ちゃん、あたりを物色しだしました。

しばらくするうちに…‥
明太子を捨てた箱の中から、なにやらプツプツと泡がはじけるような小さな音がしてきました。
『れんち』ちゃんは気付きません。
箱の中から、蓋をあけて、何やら細い管のようなものが出てきました‥‥
1本が2本になり‥‥どんどん出てきます。
『れんち』ちゃんが選んだ箱の中には、お爺さんが開発を失敗した『ゾンビな薬』が入っていました。
その薬に触れた明太子の中の無数の卵が、全く違った姿をして蘇ってしまったのです!
そして今、捨てられた腹いせに、まさに『れんち』ちゃんに襲いかかろうとしていました‥‥
その姿に『れんち』ちゃんは全く気付いていません!
危うし!!『れんち』ちゃん!!




◆-- つづく(台詞縦長Ver) --◆


--- END OF PAGE ---