私は裸になって、じっと目をつぶって待ちます。
風が起こす薮ずれの音、あがったばかりの雨が残した雫の音‥‥
ふいに‥‥それらがぴったりと止みます。
私の待ち焦がれていた時間‥‥
「それ」が私に与えてくれた時間‥‥
目をあけると、おおきなでんでんむしが、私の事を見つめていました。
いつのまにか、両手と足首は半透明なもので動きを封じられていました。
身動きがとれない事によって、私の興奮は嫌がうえにも高まります。
そんな私の心を見すかしたように、「それ」はゆっくりと木の幹をつたって降りてきました。
半透明にも見える体。殻を重たそうに引きずるその動き。幹に残されたぬらぬらと光る粘液。
どれをとっても醜くくて、気色悪くて‥‥
「それ」…に蹂躙される自分の姿を想像してしまって‥‥早くも私の下半身は、たまらなく熱くなっています。
------ つづく------
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