あの、、、失礼しまぁ、、す?
あ、、誰かいる、、、
まり:あ、、あの、、もし?
老人:………………
まり:(口がきけないのかな、、、
あ、お年寄りだから耳が遠いのかも?)
まり:あ〜、、あのう、、ですねぇ!!
さっきから、
この階あっちこっち探しているんですけど、
出口が無いんですけどぉ!!
まり:(きこえてるのかなぁ?)
出口をご存じですかぁ?!!
老人: ………………………………
まり:(やっぱり聞こえてないのかなぁ、、、)
あのぉ、、ちょっとお邪魔してもよろしいですか?
老人:(ゆっくりとうなずく)
まり:(やっぱりこの人口がきけないんだ、、)…あ、、失礼します、、、
老人:(彼の前にある椅子を指差す)
まり:あ、、はい、じゃちょっと、、座らせてもらいます、、
まり:あ、、あのぅ、、
老人:……………
まり:失礼ですけど、、、喋れないん、ですか?(あまりこんな事聞くの失礼かしら??)
老人:……………
まり:……………
老人:……………
まり:あ、、あのう、、さっきから何か書いて
いらっしゃいますが、、、
もしかして、、、私を?
老人:(ゆっくりとうなずく)
まり:わぁ♪ 素敵☆
私、似顔絵すらあんまり書いてもらった事
ないんです。
まり:私、絵のことはよく判らないんですけど
随分本格的ですね、油絵ですか?
老人:(人さし指をそっと口にあてる)
まり:あ、、ごめんなさい。静かにしてます、、
(絵を書いてもらいに来た訳じゃないん
だけどなぁ、、ま、いいか。)
老人:(黙々と筆を走らせる、、、)
老人:ふぅ、、やっと下地が完成した、、、、
まり:え、?出来ました? ちょっと見せて、、
まり:あ、、今あなた喋りました??
老人:口はきけないが、私の書いた絵に意志を伝える事はできる。
まり:(あ、、本当、このひとの口動いてない、、それに、、声が頭の中に直接ひびいて来る、、)
老人:私の書いた絵は、書かれた者の意識を読む事や、行動を命令することができる。
まあ…出来にもよるがね、、、
老人:何も不思議がることはない。現実の君が神によって作られたものならば、
キャンバスの中にいる君の神は私だ。
老人:ただ、私の筆には現実の神と同じ力が宿っていてね、、随分と思う存分の事をさせてもらった。
それをこころよく思わなかったのか、神様にも見放され、こんな所に幽閉されたのさ。
老人:しかし、君の様な若い女性を書いたのは久しぶりだ。
思わず熱がこもって、なかなか出来のいいものが仕上がった。
老人:そのまま座った姿も悪くはないが、君ならばもう少し魅力的なポーズも似合う。
少々絵に手を加えてみるか、、、
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